君は同期で幼馴染で××で
「私ね、陸といたら一生彼氏なんてできないんじゃないかって思ってたの。どこに行っても、付き合っているって勘違いされてたからね。
でも、昨日襲われかけた時、真っ先に浮かんだのが陸の顔だった。陸、助けてって。誰よりも陸のことを信じたの。絶対助けてくれるって。そしたら、本当に陸が助けてくれて、抱きしめてくれて……ずっと一緒にいてくれて、すごく安心した。陸の温かい手をずっと感じていたいって、離したくないって思った」

俯きがちに話してきたけど、再びそっと陸を見つめた。

「でもね、安心だけじゃなくて、ドキドキした。目が覚めて陸の顔を見た時から、何か違うの。
今だって、陸が帰っちゃうって思ったら、嫌だって思った。陸ともっと一緒にいたいって思った。
陸、私も陸のことが好き。一人の男の子として」

「つまり、真紀ちゃんは僕の恋人になってくれるってことでいい?」

「うん」

陸が抱きしめてくれるから、私は目の前の温かい胸に顔を押し付けて、恥ずかしさをごまかす。そっと陸の背中に自分の手を回すと、陸は私の首元に顔を埋めた。

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