君は同期で幼馴染で××で
「真紀ちゃん、怒ってる?」

「陸、直人の言ってたことは本当?」

「う、うん」

だんだん小声になっていく陸。

「……怒ってなんかないよ」

「本当?」

顔を上げて、パッと目を輝かせる陸は、なんだかちょっと可愛かった。

「うん。でもね、モテたかどうかはともかく、私は男の人と恋人として仲良くすることが一切なくて、一生独身だったらって、最近は本気で悩んでいたんだよ」

「ご、ごめんね。でも、そんなの初めから僕が恋人になるつもりだったから。
僕も、これで真紀ちゃんが僕のことを見てくれなかったらどうしようって、いつも不安だったんだ」

「陸……」

おふざけもおちゃらけも一切ない、真剣な陸を見て、なんか納得してしまった。

「そっかあ。じゃあ、おあいこか。陸の所業は流す。陸、待っててくれてありがとう」

「真紀ちゃん!!」

ぎゅっと抱きついてくる陸。こういうスキンシップはまだ気恥ずかしいけど、陸が全身で「好きだ」って伝えてくれるようで、嬉しいとも思った。

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