心理学者と夢占い



翌日、いつも以上にオシャレをした小夢は、待ち合わせ場所である駅前で、スマホを触りながら待っていた。

小夢と幼なじみである中里 夢羽(なかさと ゆめは)は、遊ぶ時はずっと駅前で待ち合わせをしている。

「小夢ちゃん!お待たせ!」

小夢が顔を上げると、長い髪をポニーテールにした女性――夢羽が小夢に向かって手を振った。

「夢羽ちゃん!久しぶり!」

小夢は、久しぶりの再会にテンションが上がり、元気よく夢羽に向かって手を振る。

「久しぶり~!元気にしてた?」

「うん!私、『夢相談所』を開いたんだ」

「夢相談所?」

「そう。カウンセリングを行ったり、夢についてのお話をする場所だよ」

「あ~……小夢ちゃんって、カウンセラーさんもだけど、心理学者だったよね!」

その言葉に、小夢はうなずいた。

「……小夢ちゃん。今からカフェ行こ!」

夢羽は、小夢の腕を引っ張って高校生の時から通っているカフェに向かう。カフェに入ると、小夢は懐かしさからか目を細めた。

「いらっしゃいませ」

店員に案内され、2人は向かい合うように席に着く。2人は、メニュー表を眺めた。

「どれも美味しそ~。決められないよ~……」

「……私は、ショートケーキとコーヒーにする」

小夢はすぐに頼むものを決め、メニュー表と睨めっこする夢羽を見つめる。
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