寡黙なダディの秘めない愛情
「ホイットニー、ミサ。夏美」

嫁と娘達を見つけたジムは、嬉しそうに彼女達に駆け寄り抱き締めた。

「こら、蓮。いくら美咲が危ない目にあったからって、育己に八つ当たりしないの。まだ13歳よ。犯罪に巻き込まれたら怪我したじゃすまないわ」

「えっ、何?いっくん、どうかしたの?」

俯く育己に駆け寄るミサ。

真っ白な肌に金髪の髪。

寒さで赤くなった頬。

今日も安定の可愛さだが、育己はそれどころではない。

蓮に言われた言葉がぐるぐると頭の中を駆け巡る。

そんな育己の心を見透かしたのか、

「さ、予約してあるカジュアルダイニングに向かわなきゃ。間に合わないわ」

とホイットニーが皆を促す。

ジムとホイットニー、美咲と蓮と夏美、ミサと育己がそれぞれ並んで歩き始めた。
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