寡黙なダディの秘めない愛情
「いっくん、大丈夫?」

見上げてくるミサは、悲しそうな心配そうな顔をしている。

「大丈夫。心配ないよ」

育己は、ミサを心配させまいと、微笑みながらミサの頭を撫でた。

その時、正面から歩いてきた高校生らしき男と育己の肩がぶつかった。

「おい、こら、ぶつかっといてスカしてんじゃねえぞ」

ああん?

と下から睨み付ける少年Aは、某不良映画の下っぱエキストラのようだった。

「ガキのくせに外国人の彼女連れとか気に入らねえ」

チラッとミサに目をやる少年Aの視線から、咄嗟に育己はミサを庇った。

アメリカ人のミサは8歳だが、外国人だからか発達がいい。

身長はすでに155cmあり、日本人から見れば中学生くらいには見えるだろう。

両親たちと妹はすでにかなり先を歩いており、絡まれている二人に気づいていない。

文字通り、相手は違うがさっきの状況再びだ。
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