恋の予言【短編】
―――


並んで一時間が過ぎた頃、ようやく順番が回ってきた。


「次の人どうぞ」



入口の案内役の男が、芳乃をテントの中に導いた。




「いらっしゃい」




このテントの占い師、ケイトはニコリと微笑んで芳乃を見た。



その顔が一瞬驚きに変わる。


「え、どうかしました?」


芳乃の声に、ケイトはハッと我に返ったようだ。



「おすわりください」



「・・・」



芳乃は不思議に思いながらも腰をおろした。
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