恋の予言【短編】
「早く会いたいって思ってたからさ。今日あんたを見つけて、本当驚いた」
啓斗はハハっと笑った。
芳乃はまだ信じられないようだ。
「実物は―――ちょっとチビだったけど」
啓斗の言葉に、芳乃はガバッと立ち上がった。
「チビって言うな!」
【チビ】という言葉に敏感な芳乃。
そんな芳乃を見て、啓斗はまた楽しそうに笑った。
「出会い記念にキスでもしとく?」
芳乃はキッと睨んで、
「ふざけないで」
「――ふざけてないんだけど、まぁいいや」
「・・あたしもう行くから」
芳乃はベーっと舌を出して背を向けた。