恋の予言【短編】
2章

「ヤバーイ!」



芳乃は物凄い勢いで飛び起きた。



その理由は―――【寝坊】


「ママ!明人迎えに来た?」


「来てないわよ」



母、由紀子は時計を見て、


「あら、もう8時じゃない。――明人くんも寝坊しちゃったのね」


と、笑った。


「芳乃、起こしてきてあげて」


「ママが起こしてきてよ。あたしだって着替えとか忙しいのに!」


「ママ、お弁当作ってる途中なの」


由紀子は毎日、芳乃と明人、二人分の弁当を作っている。


「――仕方ない」


芳乃は手早く着替えると、家を出て隣の部屋に入って行った。



「明人、起きてる?」



「・・・ん?」



明人は目を擦りながら起き上がった。


時計を手に取る。



「!!」



一瞬で眠気は吹っ飛んだ。


「遅刻だぁ!」

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