始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
思いがけない先輩との出会い
『久しぶり、元気だった?』


『お前、ちょっと痩せた?』


貸切のバーで、懐かしいメンバーが集まり、賑やかに会話を楽しんでいる。


『穂乃果!お待たせ』


少し遅れて来た美咲が、息を切らしながら、私に声をかけてくれた。


『私もちょっと遅れちゃって、さっき来たばっかりだよ』


『そっか、穂乃果も仕事だったんだよね』


『うん、今、卒業シーズンで忙しいよね』


『本当にそう、今日も謝恩会とかのヘアセットの予約でいっぱいだったよ』


卒業してから初めての同窓会。


みんなとは5年ぶりに会う。


私達は、美容専門学校の卒業生で、今は、それぞれの道を歩んでいる。


同窓会…


正直、そんな気分じゃなかったけど、美咲にどうしてもって誘われて…


仕方なく来てみたんだけど、やっぱり、早く帰って眠りたい気分。


もう、仕事で、体がクタクタだよ。


美容師って…本当に楽な仕事じゃない。
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