始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『よろしくお願いします。嬉しいです、あなたのような人気のカリスマ美容師さんに切ってもらえるなんて』


眼鏡を取った、鏡の中の氷野さんは、本物のイケメンだった。


綺麗な目をしてる。


この目に見つめられたら、女性は…


きっと、みんな、ドキドキしてしまうだろう。


昨夜は、穂乃果が帰って来てから、ほとんど話をしなかった。


穂乃果が、氷野さんと何を話したか…


全く気にならないと言えば嘘になるけど…


あえて、俺は何も聞かなかった。


全てにおいて、穂乃果を信じてるから…


ただ、それだけだった。


『…月城さん…』


『…?』


『穂乃果さんのこと、どのくらい好きですか?』


突然の質問に驚いた。


俺は、カットの手を止めることなく、その質問に答えた。


動揺した姿は…見せたくなかったから。
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