始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『穂乃果さんを愛する気持ちは…僕、月城さんに負けません。そこだけは、絶対に勝ってる自信があります!だから、すぐには、彼女を忘れられないです。忘れるのに、いったいどれだけ時間がかかるのか…考えたらちょっと怖くなります』


そう言って、少し、笑った。


『でも、僕は…2人のことは応援します…遠くから、穂乃果さんの幸せを願います。月城さん…絶対に、絶対に、穂乃果さんを幸せにして下さい。あんな素敵な人、泣かしたら…僕は絶対許しませんよ』


鏡越しに俺を見て、真剣な眼差しで、氷野さんが言った。


『…わかりました。必ず、幸せにします。俺も、心の底から、彼女を愛してるから…』


氷野さんは、ゆっくりとうなづいた。


俺は、カットの続きをしながら、本当に、穂乃果を幸せにしたいと…


ただ、そのことだけを考えていた。


『ありがとうございます。さすがですね、こんな感じの髪にしてみたかったんです。嬉しいな』
< 111 / 230 >

この作品をシェア

pagetop