始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『それなら、良かった。氷野さん…また予約して、来て下さい。お待ちしてます』


『…ありがとう…ございます。いつか、また必ず』


全てが終わって、氷野さんは、笑顔で挨拶をして帰って行った。


正直、俺は、ホッとした。


もし、話が上手くいかなかったら…


そんなことも、少し頭をよぎっていたから…


でも、氷野さんは、本当に、人間性の素晴らしい人だった。


それにしても、穂乃果は、自分の魅力に全く気づいていない。


穂乃果は…可愛くて、優しくて、一緒にいてとても癒される女性だ。


そして…その可愛らしさの中に、大人の色気も持ち合わせていて…


そこには、男として、とても惹き付けられてしまう。


輝も、氷野さんも…


本気で彼女を想っている。


これからも、また、そんな人が出てくるかも知れない。


そう思うと、不安にもなった。


早く…穂乃果を自分だけのものにしたい…


絶対に…誰にも渡さない…


俺は、強くそう思った。
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