始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
ひとつひとつ、私達は丁寧に仕事をこなして、お客様の笑顔を引き出し、綺麗になるお手伝いをする。


悠人も…


まだ、VIPルームで長瀬様を施術してる。


2人きりで…


あの部屋で…


ずいぶん長いな…


って、ダメダメ、何を考えてるの、私。


おかしいよ…ね。


長瀬様は、お客様なのに。


何かある訳ないじゃない。


でも、もし、長瀬様の方から言い寄られたら…


妙に色気のある方だったし…


あんな密室で…


思わず、あの夜のこと、また思い出してしまった。


あの鮮烈な光景は、たぶん、一生、私の頭から消えることはないだろう。


しっかりと脳裏に焼き付いている。


忘れられる訳ないよ…


でも、私、お客様に対して、そんな心配するなんて、どうかしてる。


たとえ、自分のことを気に入ってるとわかったとしても、悠人は、絶対に、紳士的に振る舞うはずなのに…
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