始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
すごく気まずい時間が流れてる…


どうしよう…


特に彼氏もいない私だけど、でも、男性と2人きりなんて…


店に着いて、鍵を開けて中に入る先輩。


灯りを付けてから、私を中に入れてくれた。


すごく広くて綺麗な店内、オシャレな雰囲気に、ちょっとたじろいだ。


私の勤める美容院とは、全くレベルが違う。


派手ではない、洗練された内装にも、こだわりが感じられるし、先輩のセンスが伺える。


素敵過ぎる…


『ここに座って、穂乃果』


さっきまでとは少し違う、優しく甘い先輩の声。


思わず、キュンとしてしまう。


私は、言われるままに、施術用のチェアに座った。


目の前には大きな鏡。


美容院なら当たり前だけど、そこに改めて自分が写ってるのを見ると、異常に恥ずかしい。


『すみません…』


『なぜ謝る?』


『だって、こんな予約も取れない素敵なお店に、私なんかが来て…』
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