始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『…さっきの言葉でもよくわかります。僕のこと…やっぱり弟みたいにしか思ってないんだろうなって。ちゃんとご飯食べたの?みたいなのって…家族に言う言葉って感じですよね』


『そう…かな…?』


『そうですよ。だから…やっぱり、僕には男としての魅力がないんだろうなって…』


『そんな、そんなことないよ。お客様だって、みんな輝くんのことカッコイイって…』


『お客様じゃないです!僕が気にしてるのは、穂乃果さんが僕をどう思ってるか…ただそれだけです』


私の言葉に、食い気味に、輝くんが言った。


すごい勢いで…


若い男の子のストレートな想いみたいなのを感じた。


『どうしたの?輝くん…今日、ちょっと怖いよ』


『すみません…僕は、本当に…穂乃果さんをずっと見守りたいし、側に居られるだけで幸せです。それは、嘘じゃない。でも…でも時々、どうしようもなく、不安になったり、悲しくなったりして。たまらなく…穂乃果さんが愛おしく感じて、苦しくなる時があって…』
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