始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『黙ってたこと?』


うなづく私。


『私ね…この前は言えなかったんだけど…』


今度は、輝くんがうなづく。


『ごめんね、私…今、好きな人がいるの』


『…え?』


輝くんの顔に戸惑いの色が見えた。


『…ごめん』


『…そうだったんですか…そうなんですね…穂乃果さんには、好きな人がいたんだ…』


下を向く輝くん。


『うん…』


『…誰か教えてって言っても無理ですよね』


『…ごめん』


『…大丈夫です、きっと、悠人さんみたいな素敵な人なんでしょうね』


ドキッとした。


そのまんま…当たりだよ…


でも、今は言えない。


『穂乃果さん。あなたの気持ちはわかりました。好きな人がいるなら、本当に僕にチャンスは無いですよね…でも、僕がずっと穂乃果さんを大切に想ってることは、絶対に忘れないで下さい。近くにいて、時々、あなたを見つめてしまうかも知れませんけど…その時は、笑って許して下さいね』
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