始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
梨花ちゃんに、全てを話してしまった以上、放っておくと、きっと、穂乃果にも、つらい思いをさせてしまう。


すぐに…


穂乃果に会いたい。


会って話したい。


自分のダメなところも全部さらけ出して、彼女に告白したい。


もう一度、この想いを伝える。


俺は、そう決意した。


『すまない、俺は先に帰る。梨花ちゃんには、才能がある。それを…これからも伸ばし続けて欲しい。そして…俺以外の男性を見つけて…幸せになって欲しい…そう願ってる』


女性を1人で残して行くのは、抵抗があったが、俺の気持ちは、もう止められなかった。


シャルムを出て、急いでマンションに帰った。


中に入ってみたら、真っ暗なリビングで、穂乃果は…


なぜか、泣いていた。


何があった?


俺は、そのまま、電気もつけず、穂乃果の側に駆け寄った。


俺に気づいた穂乃果は、涙に濡れた顔を両手で隠した。
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