始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『どうしたんだ?何かあったのか?』


不安がよぎる。


『…ごめん。何でもないの。でも…いろいろ考えてたら、涙が…勝手に…』


俺は…


どうしようもなく愛おしくなって、気づけば、穂乃果を抱きしめていた。


強く自分の胸に、穂乃果を引き寄せ、


『…俺は…お前を…』


心の中にある全ての言葉を、包み隠さず、一斉に解放した。


『俺は、穂乃果を愛してる。この世の中でただ1人、お前だけを…愛してるんだ。だから…俺と…結婚して欲しい。一生、穂乃果を愛し続けるから。必ずお前を守る。約束する』


その言葉の後、俺達は、ゆっくりと顔を見合わせた…


すぐ目の前にある、俺の愛しい人の優しい顔。


涙で頬を濡らす穂乃果を、心から可愛いと思った。


穂乃果の言葉を待つ間は、心臓が、激しく高鳴り、胸が…張り裂けそうだった。


そして、穂乃果は、静かに…言った。
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