始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『大丈夫?怖くない?高いところが苦手なのに…無理したんじゃない?』


『…大丈夫。どうしても、穂乃果と乗りたかったから』


『嬉しいけど…ごめんね。でも見て、ここからだと夜景が綺麗に見えるよ、一面キラキラしてて、幻想的だね。本当、夢みたい』


『…ああ、本当だ。すごく、綺麗だ』


そう言うと悠人は、急に真面目な表情で、私を見た。


そして、深呼吸してから、ゆっくりと話し始めた。


『穂乃果…こういうシチュエーションは、ありふれてるかも知れない。でも、ここで、言おうと思う』


そんな真剣な顔をして、何を言うの?


急に、心臓がドキドキして来た。


高いところにいるから?


ううん、違う。


私は、高所恐怖症じゃない。


『穂乃果、この前、プロポーズはしたけど、もう一度、ちゃんと言いたくて』


え…


もしかして、プロポーズの続き…?


『俺は、穂乃果と結婚したい。来年の3月、2人が出会った月に…2人きりで式をあげたい』
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