始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
チャイムを鳴らして、出てくるのを待つ。


悠人は、珍しく、少し緊張しているみたいだ。


私も、少し前に悠人のご両親に会った時は、すごく緊張したもん。


月城グループの社長さんご夫妻って言うだけで、プレッシャーだった。


会話もついていけるかな?って、心配だったし。


だけど、お金持ちだってことをあまり感じさせない、とても素朴な雰囲気の優しいご夫婦で…


きっと、私が気を遣わないようにと、いろいろ考えてくれてたんだろう。


悠人は、お母さん似かな。


すごく綺麗なお母さんだった。


でも、決して派手ではない。


食事も作ってくれて、すき焼きだったけど、最高級のお肉で、ものすごく美味しかった。


霜降りで、口の中で一瞬で溶けた。


もう一度、食べたいな…って、いやしくも思っている。


会話も、最後まで、ごく普通の楽しい話題にしてくれて、それに、家柄の違いや、私と悠人の見栄えの違いにも、全く触れずにいてくれて…本当に助かった。
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