始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
和やかな団らんに、私は、最初の緊張を忘れてしまっていた。


誠実で優しい悠人を育てたご両親。


私は、このご夫妻となら、義理の両親と嫁の関係が上手くいきそうな気がした。


あまりにもいろいろ心配して、構えすぎだったなと反省した。


帰り際に、


『穂乃果さんが、お嫁さんに来てくれたら嬉しい』


と、2人とも手を握って言ってくれた。


こんな風に、すごく喜んでくれたことが、本当に嬉しかった。


『いらっしゃい、よく来てくれたわね』


私のお母さんが、出て来た。


暗闇から明るい玄関に入った瞬間、お母さんは、悠人を見て、かなり驚いたみたいだった。


『あらまあ!なんてイケメンなの。モデルさんみたい』


『いえ、お母さん、初めまして。月城悠人と申します。今日はお招き頂き、本当にありがとうございます。お加減はいかがですか?』
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