始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『まあ、私の体のことを心配してくれてたなんて、申し訳なかったわね。もう、すっかり良くなったの、ありがとう』


『それは良かったです。安心しました。お体、大事になさって下さい』


『本当にありがとう、優しいのね、月城さんは』


悠人は、優しく微笑みながら、そう言って、手土産の日本酒をお母さんに渡した。


お酒は、お父さんの大好物だった。


でも、最近は、年齢のせいもあり、あまり飲めなくなっているからと悠人に話したら、口当たりの優しい本当に美味しいお酒を、地方から取り寄せてくれたみたいだった。


私達は、リビングに向かった。


廊下を歩いて、ドアを開けて中に入ったら、お父さんがいた。


ソファに座っていたけど、悠人を見て、立ち上がった。


お父さんまで緊張してるみたいだった。


こんなに落ち着きのないお父さんを見るのは、初めてかも。


私達は、一通りの挨拶を終え、食事を始めた。
< 155 / 230 >

この作品をシェア

pagetop