始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
お母さんお得意の和食が、テーブルに所狭しと並ぶ。


『すごく美味しそうですね、和食は大好きです』


『なら良かったわ、お口に合うかどうか』


『ありがとうございます、いただきます』


悠人は、肉じゃがを1口食べて、


『美味しいです。こんな美味しい肉じゃがは初めて食べました』


『いやだわ、月城さんたら。そんなお世辞言っちゃって』


『僕は嘘をつきません、本当に美味しいです』


お母さん、まんざらでもない顔してる。


そりゃそうだよね、だって、女性は、料理を褒められたら、すごく嬉しいものだから。


私もそうだ。


たまに時間があれば、悠人に料理を作ってるけど、必ず褒めてくれるから…


高校生の頃かな、お母さんに、少しずつ教わってたことが今になって役に立ってる。


自分で、料理は苦手だと思ってたけど、悠人に美味しいって言ってもらえたら、頑張って作ろうと思えたし、楽しくなって、だんだん上達もしてきた。


結婚したら、もっと頑張って、悠人に食べてもらいたいと思ってる。
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