始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『月城さん…お若いのに、美容院を経営されているそうで、本当にすごいね』


普段、そこまでベラベラ喋らないお父さんが、言った。


悠人の持って来てくれたお酒を、2人で一緒に飲んでいる。


本当に美味しいお酒みたいで、お父さんはご満悦だ。


『いえ、まだまだ修行中です。穂乃果さんには、うちの店で頑張って頂いて、本当に感謝しています』


『穂乃果は、まだまだ甘いところがあるのでね、月城さんに厳しく指導してもらわないとダメでしょうから、よろしくお願いします』


『お父さん、私、今はちゃんと真面目に頑張ってるから』


私は、思わず口を挟んだ。


『お父さん、お母さん、穂乃果さんは美容師として、素晴らしいセンスのある方です。私の店でも指名もつき始めましたし、これから、もっと良い美容師になります。ですので、安心して下さい』


悠人、そんな風に思ってくれてたの?


嬉しい…


私、期待に応えられるように、もっと頑張らなきゃ。
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