始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『まあ、嬉しい、そんな風に言ってもらって。確かに…こんな主人ですけど、私は…今までずっと幸せでしたから』


『おいおい、恥ずかしいこと言うな』


こんなやり取りをする2人…初めて見たかも知れない。


悠人の言う通り、お互いを思い合って…30年間、支え合って来たんだ。


お父さんが、お母さんを怒鳴ったり、ケンカしたところを見たことがない。


穏やかなお父さんと、優しくて楽しいお母さんが、大好きで…


私は、素晴らしい両親の元に生まれたんだな。


そう思うと、改めて、夫婦になることの大切さを知って、身の引き締まる思いがした。


私も、こんな夫婦になれるよう、頑張りたい。


『次は、ぜひ、うちの両親に会って下さい、お招き致します』


『まあ、嬉しいわ。ぜひとも、伺わせて下さい。でも、月城グループさんの社長さんのお宅に、私達みたいな庶民が伺ってもいいのかしら』


お母さんが、ちょっと不安そうに言った。
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