始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『お母さん、この前、私も伺わせてもらったけど、悠人のご両親、本当に素晴らしい方達なの。優しくて、楽しくて』


『なら、良かったわ。お土産は何にしましょう、あらあら、どうしましょう』


お母さんらしい。


まだ先の話なのに、急にオロオロしだした。


昔から、こういうところがある。


『では、こちらの和菓子がいいかなと。両親は、和菓子に目がないので、きっと、喜びます』


『まあ、それなら、たくさんお持ちしますね。良かったわぁ』


『お母さん、あんまりたくさんじゃ、食べきれないからね』


私達は、和やかな雰囲気のまま、別れた。


車に乗って、帰りは、私が運転した。


『本当に、温かいご両親だな。穂乃果は、幸せに育ったんだ…俺は…もっとしっかりしないとダメだな』


『どうして?しっかりしてるよ、十分過ぎるくらい』


『穂乃果を大事に育ててくれたご両親のためにも、俺はお前を絶対に泣かせたくない。絶対に、幸せにしたいんだ』
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