始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
本当の想いを隠した再会~恭吾side~
『私と結婚して下さい。私、初めて会った時から、恭吾さんが好きです。大好きなんです』


僕のお見合い相手が、そう言ってくれた。


香織さんと言うひとつ年上の、少しぽっちゃりした、性格の良さそうな人だ。


ショートカットが良く似合っている。


父が昔からお世話になっている友人の娘さんとあって、父の顔をつぶすわけにもいかず…


僕は…無理矢理にお見合いしてしまった。


でも、さすがに、2度目のお誘いはお断りした。


気持ちがないのに、また会うのは、相手に失礼だと思ったから。


だけど、その後も、数回、香織さんの方から、ぜひ会って欲しいと頼まれて…


父にも、1度しか会ってないのに何がわかるんだと、もっともらしいことを言われ…何度も、会うように促された。


結局、僕は断りきれず、仕方なく、また香織さんに会ってしまった。


でも…2人でいても、考えることは別の人のこと。
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