始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
そう言って、悠人は、私の横にさり気なく座った。


そして…


普段は、絶対、誰にも見せないような切ない顔で、私を見つめた。


『本当に…俺は、穂乃果がいないとダメなんだ。お前がいないと…』


悠人…


あなたは、いつも完璧な人だから…


こうやって、少し、自分の弱さをみせてくれるの…正直、嬉しいんだ。


他の誰も知らない秘密を、私だけが知っているようで…


『こんな俺だけど…ずっと側にいてくれる?』


悠人は、私の顔を右手で撫でた。


こんな風に甘えて来る、少しだけ潤んだ瞳が、妙に色っぽくて、ドキドキする。


『もちろんだよ…悠人は、誰よりも素敵な人だから。私、こんなにも愛されて…本当にいいのかな?なんか、幸せ過ぎて怖いよ』


私を、強く抱きしめる悠人。


アンナはもう、とっくに眠っている。


リビングには誰もいない。


私達以外は…


自然に、当たり前のように、お互いを求め合う2人。
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