始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『これからどうするの?』


その問に、


『どうしようかな…』


って、はぐらかす悠人。


行先は、きっと決まってるんだろうと思うけど…


それ以上は聞かないようにして、私達は、また車に乗り込んで、走り出した。


それほど混んではいない高速道路を走り抜け、一般道路をしばらく行くと、気がつけば、視界に海が広がって見えて来た。


『うわ…綺麗…水面がキラキラ光ってる』


『ここは初めて来たけど、もう少し行けば、水族館がある。その屋上の高台からは、海を見下ろせるみたいだ』


『こんな素敵なところに悠人と来れて、すごく嬉しいよ。水族館なんて…久しぶり』


海を見ながら車を走らせていると、すぐに大きな建物が見えて来た。


立派な水族館だな…


正直、小学校の遠足以来だ。


中に入ると、神秘的でブルーな大水槽が目に飛び込んで来た。


その中を泳ぎ回る魚達を見ていると、気づかないうちに、気持ちは童心に帰っていた。
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