始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
と、言っても、家族だけの、ちっちゃなパーティー。


アンナが生まれてから毎年続いている。


私の両親もお呼ばれしてるから、きっと、たくさん和菓子を持ってくるんだろうな。


『穂乃果、これ、つけてみて』


悠人が、可愛いリボンがついた、小さな箱を渡してくれた。


開けるとネックレスが入っていた。


『すごく可愛い。これ…どうしたの?』


そういうと、黙ってそれを取り出して、私の後ろに回った。


『髪、ちょっと上げてくれる?』


『あ、うん…』


悠人が、ネックレスをつけてくれた。


『はい、これでいい』


前に回って、首元を見て、


『似合ってる。昨日、帰りに店に寄って選んだ』


『…嬉しい…ありがとう』


今日は、記念日じゃない。


悠人は、たまに、こうして、何かプレゼントしてくれるんだ。


さりげなく…


本当にさりげなく自然に…


私に、渡してくれる。
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