始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

『俺が穂乃果と結婚したい。ただ…それだけだ』


悠人はそう言うと、私の手を取って、乗って来た車に乗せた。


『食事をしたら、店に行く。一緒に来て。みんなに紹介するから』


『…う、うん』


2人とも黙ってる。


ちょっと気まずい空気が漂ってる…


とにかく、オーナーが気持ち良く送り出してくれたから、私はしっかりと新しい環境で頑張るしかないと思ってる。


『あの…悠人のお店の人達は、私が急に働くこと、何も思わないのかな…ちょっと不安…』


『それは気にしなくていい。ただ、まだ、一緒に住んでることは誰にも言ってない。穂乃果を紹介する時に話すつもりだ』


『…話さなくていい…かな、まだ』


また、黙る悠人。


『…今、それを言ったら…ちょっとお店でやりにくいよ…』


『穂乃果は、俺が…本当に嫌いなのか？』


『だから、だから…そうじゃないよ。嫌いなわけないし…でも…』


『…悪い。ちょっと…言い方がキツかった』