始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
しばらくして、悠人が私から離れたら、今度は梨花さんが隣に来た。


『穂乃果ちゃん、悠人さんって、昔からあんなにカッコイイの?』


え?


『いとこなんでしょ?子どもの頃の悠人さんってどんな感じだったのかなって』


戸惑う私に、さらに質問を重ねた。


『…あ…あの、いとこって言っても、あんまり会ったことなくて』


『そうなんだ…なのに、シャルムには入れたんだ』


梨花さん…なんか、ちょっと意地悪な言い方。


『…そうですね、誘って頂いて有難いです』


あんまり細かな嘘は、つかない方がいいと思った。


『穂乃果ちゃん、悠人さんとは近しい関係かも知れないけど…店ではあまり馴れ馴れしくしない方がいいわね。お客様は、みんな高いお金を出して悠人さんとの時間を楽しんでおられるの。その周りにあなたみたいな人がいたら…あんまり良い気持ちしないと思うのよ』


サラッと言ったけど…


今、かなりひどいこと言われた?
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