始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『どうしたの?みんなとタクシーに乗ったんじゃないの?』


『乗りませんでした…穂乃果さんが心配で』


真剣なカッコイイ顔に、思わずドキッとした。


『あ、私なら大丈夫だよ。駅まですぐだから』


今日は、悠人は、1度店に戻るって言って、さっき、タクシーで向かった。


私は、ちょっと歩きたくて…1人で歩いてたんだけど…


『大丈夫じゃないですよ。誰かに声掛けられたら危ないし』


『え?…大丈夫だよ。そんな心配、必要ないから。誰も私なんかに声掛ける人いないよ』


ニコニコしながら言ってみたけど、なぜか、輝くんは笑わない。


ずっと…黙ったまま、下を向いてる。


『…とにかく、僕も駅まで行きます』


私は、輝くんの言うままに、駅まで歩いた。


2人きりで…


いつもは元気な輝くんだけど、今はあまり話さない。


心配になるけど、どう声をかけたらいいか、わからなくて…
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