始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
もしかして、私の見た目が地味すぎて…それで、逆に覚えてたとか…


有り得る。


『穂乃果…携帯の番号、後で教えて』


私達の前を去り際に、先輩が耳元でそう囁いた。


え?


今、何て言ったの…?


聞き間違い?


あまりの言葉に、私は、体が固まってしまった。


『穂乃果、今、先輩何て言ったの?』


『…えと…』


『うん、うん』


美咲が、私の顔を興味津々で覗き込む。


『…携帯の番号後で教えてって…』


『えー!!!』


『ちょっ、ちょっと、声が大きいよ』


思わず私は、口元で人差し指を立てた。


『それって、これから穂乃果と連絡取り合いたいってことだよ』


美咲が、興奮気味に言った。


月城先輩が、私の番号を聞いて、いったいどうするって言うの?


あんなイケメンが、私みたいな女を相手にするわけないし…


お金持ち過ぎて、私からお金を引き出すのも、絶対違うし。


じゃあ、何目的?
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