始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
私は、大きく首を横に振って、そして、ゆっくりと立ち上がった。


輝くんは、そんな私を見て、必死で笑顔を作って、


『穂乃果さんは…悠人さんみたいな大人の男性の方が好きですよね?僕なんかは…弟みたいな感じですよね…でも、あなたが、例え誰を好きでも構いません。僕は…これから先も、ずっと穂乃果さんを想ってますから。すみません、一方的に…』


って、少し寂しそうに言ったんだ。


その優しい眼差しに、胸が痛くなって…


どうしようもなく、切なくなった。


『…輝くん…どうして?輝くんなら、もっと可愛い女の子と付き合えるのに、よりによって…私なんかに?私なんかのために、涙まで流してくれて…すごく…有難いなって思うけど、だけど…やっぱり…』


悠人にも返事出来てないのに、輝くんまで…


本当に、どうしたらいいか、わからない。


この状況、どうかしてる。


万が一、これが私のモテ期だとしても、相手が豪華過ぎて、到底…信じられない。


ますます、混乱して来たかも…
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