始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
『10分だけ…か』


悠人の静かな声。


その先は、なんて言ったらいいんだろう?


上手く言えない…


『穂乃果のことが好き…って?』


『え?』


『…だろうな。輝は、いつも元気だけど、穂乃果が来てから、ますます明るくなった。かと思えば、落ち込んで見たり…誰かを想っているんだと前から思ってた。それが…穂乃果だってことも』


『どうしてそんなことわかるの?』


心からの疑問。


『教えて欲しい?』


悠人は、意地悪そうに言って、さらに、私に顔を近づけた。


『…うん』


『簡単だよ。俺も穂乃果を愛してるから』


サラッと言ったその言葉…


私の心をギュッて、鷲掴みにした。


愛してるって…


悠人から初めて出た言葉。


好きと愛してるは、言葉の重みが違いすぎる。


どうしよう、心臓が破裂しそうだよ。
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