始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
夜になって、私達は、悠人の知り合いが経営するイタリア料理店に集まった。


若い店長さんが、個室を用意してくれ、パスタやピザを出してくれた。


ここのピザは、本格的な窯で焼いてあって、とても美味しいそうだ。


私達は、お互いに、ごく簡単な自己紹介をして、まず食事をした。


悠人が、恭吾さんと仕事の話をしたりして、大人の落ち着いた会話で、場を和ませてくれた。


28歳の恭吾さんを、3つ年上の悠人さんがリードしてくれてるように思えた。


そのおかげで、私の緊張も少しずつ溶けていった。


1時間くらい経った頃かな、


『氷野さんの髪、私に切らせてもらえませんか?』


って、突然、悠人がそう言った。


『え?月城さんみたいなすごい美容師さんに切ってもらうなんて…申し訳ないです』


驚いた顔をする恭吾さん。


『今日、せっかく来て頂いたのにカット出来なかったので、明日…良ければ、閉店後に来て下さい』
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