極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
「ははっ…はあ〜。久々に笑わせてもらったわ」
「そんなに笑うことかよ」
散々笑った斗真は大きく息を吐き、俺は文句を言ったのだが斗真は俺を好戦的に見上げておかしな事を言ってきた。
「笑うだろ?お前叶ちゃんがいなくなって寂しいんだろ?だから仕事で紛らわそうとしてるんじゃないか?」
「寂しい?そんなわけ無いだろう。なんで俺が寂しがらなきゃならない?ただ家政婦がいなくなっただけだ。家事をする者がいなくてそこは不便だが」
家事をするものが居なくなって俺もあまり家に帰らないし部屋は埃をかぶってるだろう。自分で掃除する気も無いからそこだけは困ってる。

自覚なしかよ…と、斗真が独り言のように言ってるのが聞こえて顔を顰める。今度はため息を吐きながら斗真は聞いてきた。
「なら、新しい家政婦を雇えばいいだろ?」
「……いや、今はいい」
少し考えてから答えた。新しい家政婦なりハウスキーピングなり頼めば良いのだがそんな気にはなれなかった。
「今は?ふーん、結婚するからか?」
「結婚などしない」
「そこは即答なんだな」
「何が言いたい?」
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