極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
「流星さん、風雅さんの件でまたラウンジの支配人から苦情が来てますよ」
「またあいつか」
俺は渋面で秀弥の話を聞いていた。
風雅がラウンジを利用するようになってから、度々仲間を集めては馬鹿騒ぎをしていると支配人から苦情が入っていた。
上層階級の社交の場とするラウンジでの品位に欠ける行動から、父も再三注意してたようだが言うことを聞かないらしい。父はああ見えて風雅に甘いから大した威力もないのだろう。
風雅は普段煩い奴だが俺の本気の怒りには敵わない。そろそろ兄としてガツンと説教してやらないといけないなと思っていた。
奇しくも今日は叶の誕生日。
今日で俺の役目も終わる。流石に二十歳の記念となる今日は叶に会って直接プレゼントを渡そうと思っていた。ついでに斗真の事をどう思っているのかプロポーズの返事はしたのか聞きたい。叶にとったら迷惑なことかもしれないが斗真のことだけは言っておかないといけない。叶の気持ちなど考えてはいなかった。
風雅の説教と、叶に会うため、遠退いていた実家に行くことに決めていたが、思わぬ形で二人に会うことになった。