極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
「勿論約束します。妹さんは俺が必ず守ります」
「助かるよ、こんなこと頼んでほんとごめんな?」
「謝らないでください。望さんにはこれくらいじゃ返せないほどほんとにお世話になったんですから」
「大げさだな、そんな大したことはしてないぞ?」
律儀な奴だと楽しそうに笑う望さんははあっと一つ息を吐いてにやりと俺を見上げた。
「じゃあ、もう一つだけお願い聞いてくれるか?」
「はい、なんでも」
「妹が大人になるまで手は出さないでくれよ?」
「は…い?」
望さんの妹に手を出すなんて有り得ない。そんな当たり前のことを望さんが言ってくるのを不思議に思った。その頃まだ18になったばかりの高校生である叶に俺が手を出すと本気で思ってたのか?望さんの胸の内を知ることはもうできないが、今考えるとこうなることを望さんは予測してたのかもしれない。
しかし、もう自分の気持ちを開放してしまった俺は叶を手放すなどできない。
安心しきったように眠る叶を抱きしめて、「望さん、約束を破ってすいません」と呟いた。


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