極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい

この気怠い身体の余韻もこの花びらのような印も、それは流星さんが抱いてくれた証。
その証拠がまざまざと自分に刻まれてるのだと思うと嬉しくてでも切なくて涙が出る。自分の身体が愛しくてボロボロ泣きながら自分で自分を抱き締めた。

お風呂で大泣きした後、どうすることも出来なくてソファーでボーッと外の景色を見ていた。
さすがは高層ビルだけあって、有名なタワーと日本一の山が一望出来る最高な眺めだったけど今の私にはただ目に映るだけ。
服はいつ届くのか、この後どう逃げようか、そればっかり考えていた。

とにかく一度高槻家に帰って外泊したことをまず謝って、それから家政婦を辞めてどこか遠くに行く算段を付けなくては。なるべく早く事を起こさないと流星さんに見つかったらブリザードどころじゃなく、嵐と地震と雷が同時に落ちてきそうだ。

その時、部屋のチャイムが鳴って恐る恐るドアを開けるとホテルマンらしい男性が立っていて折り目正しく礼をする。
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