極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい

「はい…」
「ブランチをご用意いたしました」
「ブランチ？」
ニコリと笑った男性は後ろに控えていたワゴンを押した女性と共に部屋へと入り、6人は座れるだろうダイニングテーブルに食べきれないほどの料理を並べた。
「あの、これって…」
「高槻様より仰せつかっておりました。どうぞごゆっくりお召し上がりください」
男性はそう言うとワゴンの女性と部屋を出ていった。
気づけばもう10時、温かそうな湯気を立ち上らせた食事はどれも美味しそうでぐう、とお腹が鳴って空腹を思い出させた。
流星さんはほんとに…怒るとあんなに怖いのにどこまでも気を使う優しい人だとその優しさにまた涙が出る。
ぐずぐずと涙を流しながらそれを食べ少し元気が出て来た。
やはりどんな時でもお腹が満たされると気持ちも晴れてくる気がする。
デザートのクリームブリュレの美味しさに頬を緩ませ満足してるとまたチャイムが鳴った。
そそくさと着ているバスローブを整えまた玄関に向かう。
「はい…あ…！」
「お久しぶりですね、叶さん」
そこに立っていたのは梶原さん。意外な人物が立っていて驚いてると、梶原さんは大きな紙袋を私に手渡してきた。
「お着替えをお持ちしました」