極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
そこにガチャンとドアが開く音がして急いで玄関に向かう。
「あ、お帰りなさいませ流星さん」
ついいつものように出迎えると、流星さんは私がいたことに驚くように目を瞠った。
「……ああ、ただいま」
今朝のように冷たい流星さん。その視線が足に降りていってあっ!と、慌てて縛っていたスカートをほどいて出来てしまったシワをなんとか伸ばす。
無言で流星さんが何をしてるんだと目を細め睨んでくるからぴょんと肩が跳ねた。
「あ、あのこれはお掃除をしてまして…」
スタスタとリビングに向かう流星さんを追いかけながら言い訳をする。
「掃除?」
リビングを開けた流星さんが辺りを見回し後ろにいる私を見た。
掃除は余計な事だったろうか?空気も入れ替え前のようにすっきりしたと思うのだけど、じっと見つめられてなんだか居心地悪い。
「…で、お前はどこに、行くつもりだったんだ?」
眉間にシワを寄せじっと見ていたのは私のバックだった。約束を破って出てい行こうとしてたと思ったのかもしれない。
「あ、あのお夕食を作ろうと、食材を買いに…」
「…そうかそれは気づかなかった。後で外に食べに行こう。それより先に話がしたい」
「はい…」
ダイニングテーブルに座るように促され、神妙な面持ちで椅子に座った。
何を言われるのだろう?
昨日のこと…は忘れてと言ったから蒸し返す事はしないかな。そうするとやっぱり今後の事?
高槻家から出て行けと言われたらどうしよう。自分から出て行こうとしてるのに流星さんから言われたらショックだ。
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