極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
ここ数日、大口案件に取り掛かりきりで寝る間も惜しんで仕事をしていたツケかもしれない。
加えて昨晩のこともある。一睡もしないまま俺は叶を残し大詰めの仕事が待ってる会社に向かった。
連城不動産とのリゾート開発における契約。
無人島だが立地も良く、喧騒を離れて息抜きしたい富裕層向けのリゾート島を構想していて、まるごと開発すれば何億もの金が動く。
今日は契約が成立する正念場だったこともありあまり叶を気遣う余裕も無かった。

こんなに焦りを感じるなど自分らしくもない。しかしこれは高槻コーポレーションにとっても未来を左右する案件だ。これが成立すれば政財界にも強い影響力のある連城不動産との太いパイプもできるのだ。これで新山家の力を借りる必要などなくなり未だに新山保奈美との結婚に乗り気の父を説得することができる。

午前中に連城不動産に赴き最後の条件の擦り合わせを行い、その場で契約が成立した。
もう少し時間がかかるかと思ったが、社長も乗り気でよろしく頼むと熱い握手を交わしてホッとする。

帰りに、MAHOROBAに寄り叶の服を見繕っていた時には自分でもおかしいと思うほど上機嫌だった。来なくてもいいと言ったのに付いて来た秀弥に笑われ体面を保つのに苦労した。
しかし、社に戻るとき父から新山が来てると連絡があり一気に気分は急降下した。

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