極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
家に着き買い物袋をダイニングテーブルに置くとふうっと大きく息を吐いた。
慣れない着物姿で歩き通しだったせいかとても疲れた。ちょっと糖分が欲しくて斗真さんにおまけに貰ったお菓子を取り出す。
琥珀糖と書かれた入れ物を開けると色とりどりの綺麗な砂糖菓子が入っていてまるで宝石のよう。一つを取出し光にかざして綺麗さを堪能してから口にしてみた。
しゃりっとした後に柔らかい不思議な触感がして口の中に甘さが広がる。疲れが溶けていくようで自然と笑顔がこぼれた。
「おいしい」
目にも楽しい綺麗な琥珀糖をまじまじ見ながらもう一つ頬張るとがちゃんと玄関が開く音がした。
ドキッとして思わず喉が詰まりそうになる。
まだ流星さんが帰って来るのは早い時間なのに誰?鍵をかけ忘れただろうか?でもここは関係者以外入れないはず…とドキドキと脈打つ胸を抑え玄関に続くドアを見つめた。

かちゃりとドアが開きびくっと肩が跳ねる。ひょいっと顔を出した人物が私を見つけて目を丸くした。
「りゅ、流星さん!こんなに早くお帰りですか?」
「ああ、いや、ちょっと忘れ物を取りに…」
「そうだったんですか。連絡くれればお届けしましたのに」
「いや、出かけるついでだ」
相手が流星さんだと分かって私は安心して胸を撫で下ろした。流星さんは私の前まで来ると綺麗な碧眼でまじまじと見つめてくる。その瞳に見つめられるとドキドキする。
< 17 / 168 >

この作品をシェア

pagetop