極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい

流星side


「忘れ物は見つかりましたか?」
「ああ」
車に乗り込むと待機していた秀弥が意味有りげな笑みを向けてくる。
そんなの気にも留めずにぽいと手にしてた物を秀弥に渡した。
「なんですか?」
「あづま堂の新商品だそうだ」
「へえ、せっかくだから食べてみましょう」
秀弥は後ろを振り向き何かを確認した後、口角を上げて小箱を開けた。
「見た目は綺麗ですね」
どうぞと差し出され一瞬戸惑い一つ手に取り口に放り込んだ。
秀弥も一つ手に取りパクリと食べる。
シャリシャリとした食感の中から柔らかい感触が出てきて口の中に甘さが広がった。
「甘いな…」
「甘いですね」
くすりと笑った秀弥は前に身を乗り出し運転手にも一つやると俺の顔を見てまた笑い出した。
「くくっそんな顔するくらいなら甘い物は苦手だと叶さんに正直に話したらどうですか?」
渋い顔をしていた俺は眉を上げる。
期待に満ちた叶の笑顔を思い出しふっと笑った。
「いや、和菓子だけは食べられるからいい。斗真に鍛えられたからな」
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