極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
今日はお花のお稽古があったのに散々だった。
出来上がった花を見て先生はため息をつく。
「最悪です。心が乱れてますね。お花はその人の心の内が見えるんですよ?これじゃあお花が可哀そうです」
ぴしゃりとそう言われ、もう今日はこれ以上やっても無駄ですと早々に帰された。
ごめんね、と哀れなお花を持ちながらとぼとぼと家路につく。
「あれ?叶ちゃん随分しけた顔してるな?」
いつの間にかあづま堂の前を歩いていて斗真さんに呼び止められた。
「あ…とうまさんこんにちわ…」
上の空の私に顔を引きつらせた斗真さんは私を近くのカフェに連れてった。
どうやら休憩時間だったようで私の前で斗真さんは大盛りカレーを食べている。
どうしたのか聞かれ、私は素直に流星さんが家に帰って来ないと言った。
「ああ、流星家に帰ってないのか」
だからあいつ…と、ぶつぶつ独り言を言っている斗真さんに私は目を見開いた。
「斗真さん!流星さんがどうしてるか知ってるんですか!?」
「…あ、うん。まあ、知ってると言うかなんというか…」
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