極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
ドアの前には黒服の男性がおり、私を見咎めようとした。それを斗真さんが制し私はその重厚な扉の中へと誘われる。やっぱりこの格好じゃだめなんじゃないと心の中で文句を言って一歩前へ出るとまた幾つかの扉がある廊下だった。斗真さんは慣れたようにスタスタと歩いて行き一番奥の黒い扉の前で止まった。

「いいかい？流星がどんな態度を取っても落ち込まないでね？いつもの流星じゃないから」
「は、はい…」
落ち込んでるのは流星さんだろう。私は項垂れてる流星さんなど見たくないけど何とか元気付けたいと思う。
斗真さんがゆっくりドアを開けると中から大音量の音楽が聞こえ思わず耳を塞いだ。

中は思った以上に広くたくさんの男女が集いお酒を飲み話をしていた。騒々しい雰囲気で静かな時間を好む流星さんがいるとは思えなかった。

「いつもはこんな煩くないんだけどね。今日は志向を変えてるようだ」と斗真さんが耳元で言うと先を歩いて行った。
綺麗なドレスの女性やきっちりとスーツを着た男性たちが私を好奇な目で見てくる。場違いな格好をしているのはわかっている。けど、斗真さんがずんずん真ん中を突っ切っていくから付いて行くしかなかった。
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