極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
「こんなに冷えて…これは流星のせいじゃない。こんな外に長時間いたせいだよ」
そう言って息を吹きかけ温めるように手を摩ってくれた。それを呆然と見ていると斗真さんはゆっくりと私を包みこむ。
「この震えも寒さのせいだ。あんな奴の為に泣くな。俺が温めてやる」
いつも優しい斗真さんが豹変したように強引なことを言うからびっくりして固まってしまった。
斗真さんの温もりが伝わる…。
一瞬委ねたくなったけど、私は腕を伸ばして斗真さんから離れた。
「ふふっ、自分から流星さんから離れると言ったのに馬鹿ですよね私。今のは聞かなかったことにしてください」
自嘲気味に笑うと斗真さんの真剣な瞳と目が合った。
「叶ちゃん、君はきっと高槻家に居たらいけない。だってそうだろう?高槻家には流星がいるんだ。これからもきっとそうやって叶ちゃんは一人で苦しむ」
「でも…だからって私にはほかに行くところがありません」
「俺のところに来ないか?」
「…斗真さんのところにですか?私を雇ってくれるんですか?」
キョトンと首を傾げ見上げた斗真さんの瞳が揺れた。
「違うよ、俺の嫁さんとして来てくれないか?」
「え?何を、言ってるんですか?」
冗談を今言うんですか?と驚いて目を瞠った。なのに斗真さんの真剣さは崩れず戸惑う。
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