極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
「あ?…ああっ!これはこれはどこのお嬢様かと思えば茉子ちゃん!」
大和さんはやっと気付いたのかわざとらしいその言い方に茉子ちゃんと二人コテンと頭をもたげた。
だって茉子ちゃんいっつも着物じゃないか〜と言い訳をする大和さんとしょうがないなと結局許しちゃう茉子ちゃん。二人が微笑ましくて自然と笑顔が溢れた。
「あ、叶ちゃん流星さんの家を出て本家に行くんだって」
「あ…はい。明日皆さんと引っ越します」
「そうか…流星さんは?」
私が何も言わず首を振ると大和さんは黙ってしまった。
大和さんも茉子ちゃんも流星さんが家に帰らないのを知っている。心配させて申し訳ない。
「あ、あの、本家は少し遠くてあまり来れなくなると思いますが、お稽古は続けますのでこれからもよろしくお願いします」
「あ、いやこちらこそよろしく」
つい寂しそうに言ってしまい大和さんは困ってしまったようだ。
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